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尾形光琳「紅白梅図屏風」

yuenono8787

 MOA美術館の「名品展」に行ってまいりました。

尾形光琳の「紅白梅図屏風」は前から見たい見たいと思っていた作品の一つです。遠いと思っていた熱海も「ひかり」に乗れば18分。上野の東博よりずっと近いことを知りました。美術館からの海の眺望も素晴らしく、開放された気分になります。


 さて、二曲一双の「紅白梅図屏風」は、圧巻の一言でした。本当に不思議なのですが、一双の屏風の中央に流れる太い川は、かなりのボリュームがあり、色も深いグレー、あるいは、黒にもかかわらず、視点は両端の梅の木に行くのです。私の場合は、特に左隻の白梅に目が行きました。深いグレーの水に対して清らかな白い花が咲いているのです。全体像が見えない幹から、枝は一旦下がり、それがまた登っていく構図に心惹かれます。

 一双の屏風は向かって右から左に流れる川を中央に、金地を背景に左隻に白梅、右隻に紅梅と三分割されていますが、それぞれのバランスも絶妙です。この絵は細かい筆のタッチよりも、そのダイナミックな全体の構図に醍醐味があるように思いました。


 お食事処のお庭にも紅白の梅が咲いておりました。白梅は満開に近く、紅梅はそろそろ終わりに近づいておりました。紅梅は12月から咲き始めるとのこと。紅梅白梅が揃って咲く時期は短いのだそうです。尾形光琳が見た梅は、紅白ともに真っ盛りだったのでしょうか。





 
 
 

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